ふく。の日記

誰にも気付かれないような風に運ばれ、君は何処へ、僕は何処へ、気付かぬまま、また別の道

INTUITION / TNT

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今回は所謂HM/HR(ヘヴィメタル/ハードロック)に話の舵を切り、ノルウェーのハードロックバンドTNTが1989年に発表した4枚目のアルバム「INTUITION(邦題:インテュイション~直感~)」を紹介します。

 

とにかくこのアルバム、個人的には本当によく聞いた。

 

いや、今でも聴いている。

 

いやいや、たった今も聴いている!

 

出会いは高校生の頃。まだ、鼻水も垂れていた頃に親友の影響でボン・ジョヴィを聴き始めた僕が、超名曲であるタイトルチューンINTUITIONを聴いて稲妻ショックを受けて以来の愛聴盤だ。

 

このアルバムを出来るだけ簡潔に言うなら、

 

「傑作」

 

なのだが、

 

もう少し言うと、透明感と一筋縄ではいかない個性の融合したメロディック・ハードロック・アルバム。

 

かな。

 

トニー・ハーネルのハイトーンを活かしたとことんPOPな曲もありながら、ロニー・ル・テクロの変態ギタープレイや構築美の冴える楽曲群が、このアルバムを「リスナーの人生で埋もれないスペシャルなもの」に引き上げている、

 

と、

 

僕は思っている。

 

当時、深夜に放送していたMTVヘッドバンガーズボールのインタビューでは「ゲストにジョー・リン・ターナーを迎えアメリカ進出を」と言っていたような記憶があるし、とにかく本人たちとしては鼻息荒く世界制覇を目指したアルバムだと思うし、

 

北欧で世界を目指したバンドのアルバムとしては、プリティ・メイズのフューチャー・ワールドと共に、ヨーロッパのファイナル・カウント・ダウンに匹敵するんじゃないかと。

 

いや、むしろ、人によっては「超えている」んじゃないだろうか。

 

僕のような、いわゆるボン・ジョヴィのニュー・ジャージー(人によってはワイルドインザストリーツ)で洋楽ハードロックに入った世代であれば、

 

ボン・ジョヴィのアルバムを筆頭に、

 

モトリー・クルードクター・フィールグッド

 

ガンズ・アンド・ローゼスのアペタイト・フォー・デストラクション、

 

デフレパードのヒステリア、

 

と言った全米No.1アルバム群と並んでこのアルバムを「80年代後半名盤5選」に挙げる人も決して少なくないと思う。

 

実際、色んな人のブログを見ると、「名盤」「日本でヒット」等の文字があちこちで並んでおり、聴いた多くの人たちの心に今も残っているのを感じる。

 

のだが。

 

意外にも、当時のヒット状況は、そうでは無かった。

 

以下、今作のヒット状況。

 

・アルバム ノルウェー3位。全米111位

・シングル インテュイション ノルウェー5位

・シングル トゥナイト・アイム・フォーリング ノルウェー12位

 

ちなみに、前作テル・ノー・テイルズのヒット状況は以下。

 

・アルバム ノルウェー1位。全米100位

・シングル 10,000ラヴァーズ ノルウェー2位

 

この結果を比較すると、世界制覇を狙っていた当時の本人たちや、空前のハードロックブームで二匹目のドジョウたちを狙っていたレコード会社としては「惨敗」に近い心情だったのではないかと想像に難くない。その証拠に、彼らはこのアルバムでレコード会社からの契約を切られてしまう。

 

とは言え、このアルバムの煌めくような魅力は、そんな事では一切揺るがない。

 

当時本人たちに「とことんPOPに振り切った」「出来ればアルバムには収録したくなかった」と言わしめてしまった5曲目のタイトルチューンや、3曲目のトゥナイト・アイム・フォーリング、9曲目テイク・ミー・ダウンと言ったPOPなナンバーはこのアルバムを大空に羽ばたかせる翼となり、癖がありながらも構築美に溢れる1曲目コート・ビトゥウィーン・ザ・タイガーや10曲目ウィズダムはマニアにもなめられないハードロック然とした輝きを放ち、アルバムのボトムを支える両輪となっている。

 

うん、何度聴いても良い!

 

何年経っても良い!!

 

未聴の方は、中古で安く入手可能な旧規格盤でも良いので、ぜひ、聴いてみて下さい。

 

音楽、いいですね!

 

オマケ

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