ふく。の日記

誰にも気付かれないような風に運ばれ、君は何処へ、僕は何処へ、気付かぬまま、また別の道

cloud nine / GEORGE HARRISON

1987年、僕の家にはまだCDは無かった。

だから、買ったのはLPだった。

 

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僕が初めて買った、

ビートルズ関連の音源。

 

理由は簡単だ。

「それが最新作だったから」

 

ビートルズは、1987年当時、中学生の僕にとっては既に古い音楽だった。

「古いかもしれないが、それでも好き」な音楽だった。

だがしかし、

僕の知らぬ間に、このアルバムは快進撃を開始していた。

 

◆当時のヒット状況◆

アルバム クラウド・ナイン 全米8位(プラチナム)、全英10位 ※全米年間31位

シングル セット・オン・ユー 全米1位、全英2位 ※全米年間5位

シングル FAB 全米23位、全英23位

シングル ディス・イズ・ラヴ 全英55位

 

僕が高校に入ると、

洋楽を少し知った同級生たちに驚かれた。

あのジョージ・ハリスンのレコードを持ってるのか?

ビートルズだったんだって?ビートルズって凄いのか?

斜に構えた少年は、内心、

そうだよ、ジョージはすげーんだぞ、と思いながら、

あ、え?ああ、まあ、

などとうそぶいていた。

 

あれから30年以上経ち。

今でも好きなアルバムと言うより、

今もどんどん好きになっているアルバム。

 

ヒット曲セット・オン・ユーにスポットが当たりがちだが、

ジョージのギターが存分に聴ける

ギタリストのアルバムだな、と言う気もする。

僕はエレクトリック・ギターは弾かないが、

エレキストたちはどう思うだろうか。

 

ジョージとエリック・クラプトンのギターが唸る1曲目CLOUD NINE。

 

クラプトンは詳しくない僕だが、それでもうっとりするような、永遠に浸っていたいようなギターソロが聴ける2曲目THAT'S WHAT IT TAKES。

 

ELO風でもあり、ロイ・オービソンが歌ってもよさそうな3曲目FISH ON THE SAND。

 

後のスウェーデン・デュオROXETTEがLOVE IS ALLでこの曲を彼らなりに表現したのではないかと思える4曲目JUST FOR DODAY。

 

前述の通り英国でヒットした、地味ながらPOPな5曲目THIS IS LOVE。

 

ビートルズをこれでもかと意識し、ストロベリー・フィールズ・フォーエバーやアイ・アム・ザ・ウォルラス、ウィズイン・ユー・ウィズアウト・ユーなど中期ビートルズを散りばめた、本作のハイライトのひとつ、6曲目WHEN WE WAS FAB。

 

個人的に、J-POPの歌姫aikoさんに歌って欲しいと思わずにはいられない7曲目DEVIL'S RADIO。そう言えば、ビートルズのOLD BROWN SHOEも彼女に歌って欲しいジョージのナンバーだ。

 

ポールも真っ青な、メロウな8曲目SOMEPLACE ELSEでも、ジョージのスライドが芳醇な輝きを見せる。

 

まるでジェフ・リンな気もする9曲目WRECK IF THE HESPERUSでは、再び、三度ならぬ、四度目のクラプトン登場で、アルバム全体のギタープレイにメリハリを付ける。

 

そして、映画用に作ったのではないかと思われるアジアンな10曲目BREATH AWAY FROM HEAVENを経て、 

 

ラスト11曲目は、大ヒット曲GOT MY MIND SET ON YOU。

 

ほんと、

当時、

このアルバムを持っている僕は、

相当マニアックな少年に映ったに違いない。

 

だがしかし、

少年よ、

君は間違っていないぞ。

もしあの日の僕に会えたら、

僕はそう言ってやりたいと思う。

 

が、

まだその時は、

トラヴェリング・ウィルベリーズ

トム・ペティ

ロイ・オービソンと、

このアルバムを口火に大ヒットしていくとは、

想像だにしていなかったのだ。

 

音楽、いいですね!