ふく。の日記

誰にも気付かれないような風に運ばれ、君は何処へ、僕は何処へ、気付かぬまま、また別の道

初恋の人

終電間際の電車を目指し
走る俺 サラリーマン
懐かしい顔に気が付いて
立ち止まっていたよ
僕を見つけた君も少し
驚いたような顔で
その後すぐに笑ってみせた

「久しぶりね」と声をかけてきたのは
やっぱり君で
あの頃と変わらない声に
何だか嬉しくなった
少し話した後「じゃあね」と
僕らは手を振った
互いの連絡先も交換しないで

初恋の人 君は初恋の人
誰にでもあるような
小さな物語なんだけど
初恋の人
さよなら、君と出会えて良かった

 

ほんの何分か僕たちは
互いの事を話した
「今どんな仕事をしてるの?」
「おやじさんは元気かい?」
最後に僕らは
お互いの左手薬指にある
それぞれの暮らしを見つけて微笑んだ

初恋の人 君は初恋の人
誰にでもあるような
小さな物語なんだけど
初恋の人
さよなら、君と出会えて良かった

初恋の人 君は初恋の人
誰にでもあるような
小さな物語なんだけど
初恋の人
さよなら、君と出会えて良かった

さよなら、君と出会えて良かった



[2006.09.28 – 2006.09.30]