A HARD DAY'S NIGHT / THE BEATLES
前回、
敢えて「1」は外し「オリジナル・アルバム」で、僕が「一番最初に聴く事をオススメしたいビートルズのアルバム」として、
「ラバー・ソウル」を挙げました。
では、僕が「二番目に聴く事をオススメしたいビートルズのアルバム」は何か?
難しいところですが、彼らにとって3枚目のアルバムとなる「ハード・デイズ・ナイト(旧タイトル:ビートルズがやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!)」を挙げたいと思います。
【目次】
1.当時のヒット状況について
2.音楽性について
3.CD化からリマスターまで
4.僕が「二番目に聴く事をオススメしたいビートルズのアルバム」に挙げる理由
5.個人的な感想
【本題】
1.当時のヒット状況について
このアルバムは1964年イギリスにて発表。同年、アメリカでは別選曲による編集盤として発表されています。
(1)イギリスでの状況について ※メロディ・メーカー誌
・アルバム「A HARD DAY’S NIGHT」第1位(21週連続!)
・シングル「A HARD DAY’S NIGHT」第1位
・シングル「CAN’T BUY ME LOVE」第1位
・アルバム「A HARD DAY’S NIGHT」第1位(14週連続!)
・シングル「A HARD DAY’S NIGHT」第1位
・シングル「CAN’T BUY ME LOVE」第1位
(2020/3/20時点で、日本語版Wikipediaの米国シングル年表には記載漏れ)
・シングル「I’LL CRY INSTEAD」第25位
・シングル「AND I LOVE HER」第12位
(3)ヒットチャートから見る1964年アメリカでのビートルズ旋風について
①4月4日付シングル週間チャートの1~5位までを独占
1位 CAN’T BUY ME LOVE
2位 TWIST AND SHOUT(最高位2位)
3位 SHE LOVES YOU(最高位1位)
4位 I WANT TO HOLD YOUR HAND(最高位1位)
5位 PLEASE PLEASE ME(最高位3位)※この時の1位、2位はビートルズ
以下、TOP100
31位 I SAW HER STANDHING THERE(最高位14位)
41位 FROM ME TO YOU(最高位41位)
46位 DO YOU WANT TO KNOW A SECRET(最高位2位)
58位 ALL MY LOVING(最高位45位)※カナダからの輸入盤
65位 YOU CAN’T DO THAT(最高位48位)
68位 ROOL OVER BEETHOVEN(最高位68位)※カナダからの輸入盤
79位 THANK YOU GIRL(最高位35位)
※TOP100に計12曲がランクイン(カナダからの輸入盤2曲を含む)。
②年間シングルチャート
1位 I WANT TO HOLD YOUR HAND
2位 SHE LOVES YOU
13位 A HARD DAY’S NIGHT
14位 LOVE ME DO
16位 PLEASE PLEASE ME
40位 TWIST AND SHOUT
52位 CAN’T BUY ME LOVE
55位 DO YOU WANT TO KNOW A SECRET
95位 I SAW HER STANDING THERE
まさに1964年当時、本国イギリスだけでなく、アメリカのヒットチャートでもビートルズ旋風が吹き荒れていました。
2.音楽性について
ジョン・レノンの曲が13曲中10曲を占める事からもわかる通り、ジョンの才能がいかんなく発揮された作品で、時折ポール・マッカートニー作のポップなナンバーが差し込まれており、ちょっとしたアコースティックギターや、ビートルズの得意とする3声(もしくは2声)のハーモニーが効果的。ジョージ・ハリスンのチェットアトキンスを意識したようなギタープレイや、リンゴの手数が多くなっても安定しているドラムも実に心地良い。
その音楽性は、「瑞々しく勢いのあるポップロックアルバム」と言えます。
3.CD化からリマスターまで
・初CD化 1987年(モノラル盤のみ)
・デジタルリマスター化 2009年(ステレオ盤、及びモノボックス)
・SHM-CD化 2014年(持ってません)
※尚、日本ではレコード発売の当初から初CD化に至るまで、「ビートルズがやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!」とのタイトルで発売され親しまれてきたが、2000年、「ハード・デイズ・ナイト」に改称されました。
4.僕が「二番目に聴く事をオススメしたいビートルズのアルバム」に挙げる理由
①ビートルズのロックバンドとしての勢い、魅力が存分に感じられる。
②リーダーであるジョン・レノンに焦点が定まり、全編に渡って彼の魅力が炸裂。
③初期作品の中では全曲オリジナル曲。
5.個人的な感想
とにかく、「ジョン・レノンの魅力がたっぷり」で「勢いがあって」、勿論「楽曲も良く」、そして「コーラスワークが素晴らしい」、そんな魅力にノックアウトされています。
ジョン・レノンの魅力で言えば、1曲目A HARD DAY’S NIGHTや2曲目I SHOULD HAVE KNOWN BETTER、8曲目ANY TIME AT ALLのような分かり易いナンバーから、9曲目I’LL CRY INSTEADや11曲目WHEN I GET HOME、12曲目YOU CAN’T DO THAT(ジョンの自信作!)のようにPOPで片付けてしまうには余りにも勿体ないジョン・レノンならではの癖があるナンバーまで、とにかく盛り沢山。
勢いで言えば、勿論A HARD DAY’S NIGHTから、リンゴのドラムが炸裂する4曲目I’M HAPPY JUST TO DANCE WITH YOUや6曲目TELL ME WHY、ポール作の7曲目CAN’T BUY ME LOVE等。
アコースティックギターが効果的な5曲目AND I LOVE HER(ガットギターも!)、10曲目THINGS WE SAID TODAYや13曲目I’LL BE BACKも埋もれる事無く輝きを放っています。
が、個人的には何と言っても、コーラスの美しい3曲目IF I FELLに耳を奪われます。ポールのコーラスは比較的王道なのだが、ジョンの主旋律を行ったりコーラスに回ったりまた主旋律に戻ったり、ジョンとポールが同じ旋律を歌ったり。かつてポールがインタビューで、ビートルズのリードボーカルはどちらですか?と聞かれて「両方(Both)」と答えたと言うブログを見た事があるが、まさにそんな「Both」の魅力が詰め込まれたのが、IF I FELL。
初期ビートルズの勢いを最も感じられるアルバムとして、このハード・デイズ・ナイトはとてもオススメの1枚なのです。
ぜひ、大音量、もしくはヘッドホンでじっくりと、聴いてみて下さい。
音楽、いいですね!