ふく。の日記

誰にも気付かれないような風に運ばれ、君は何処へ、僕は何処へ、気付かぬまま、また別の道

GO! / FAIR WARNING

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彼らをシンプルに、でも少しだけわかりやすく表現する時、何て言えば良いだろうか。

 

 

「古き良き、正統派メロディックハードロックバンド」かな。

 

 

そんな彼らが1997年に発表した、サードアルバム「GO!」

 

 

◆メンバー◆

トミー・ハート(ボーカル)

ヘルゲ・エンゲルケ(ギター)

アンディ・マレツェク(ギター)

ウレ・リトゲン(ベース)

CC ベーレンス(ドラム)

 

 

(尚、ギターのアンディは病気の影響で、3曲目と13曲目に参加するにとどまっている)

 

 

僕は、このアルバムは凄く「名盤」だと思っています。

 

 

何しろ、BON JOVIのSLIPPERY WHEN WETにYOU GIVE LOVE A BAD NAMEとLIVIN' ON A PRAYERがあるように、

 

 

1曲目「ANGELS OF HEAVEN」と2曲目「SAVE ME」と言うアルバムを代表する名曲が序盤に畳みかけて登場するのだ。

 

 

その後も3曲目の名バラード「ALL ON YOUR OWN」と大らかに包み込むようなロックナンバーである4曲目「I'LL BE THERE」と息もつかせぬ展開。

 

 

序盤の4曲で勝負あり。

 

 

なのだが、

 

 

その後の余韻をしっかり継承したミドルテンポでかつメロディのしっかりしたナンバーが中盤から後半にかけて続く。

 

 

ねじを巻く音からオルゴールの音色でふっと一呼吸を置き、グルーヴが心地良い5曲目「MAN ON THE MOON」。

 

 

6曲目「WHTHOUT YOU」も、「MAN ON THE MOON」の雰囲気を継承しながら、サビは一転情熱的なトミーのボーカルが冴える。

 

 

ほっと一息ついたところで、アコースティックギターのイントロからしっかりと組み立てていく7曲目「FOLLOW MY HEART」も、派手さは無いが見事だ。

 

 

バラード調のキーボードとボーカルメロディで始まる8曲目「RIVERS OF LOVE」にも言える事だが、アルバム中盤は穏やかに始まりながらも淡泊にならずしっかりロックするナンバーが続く。

 

 

この辺りは、「ギターソロ以外をスタジオミュージシャンのように多彩にプレイする」ヘルゲの力量も大きく貢献していると思う。

 

 

コアなファンの間ではとかくアンディのギタープレイに注目が集まりがちだが(僕もそう)、ギターソロ以外で奏でられるヘルゲの多彩なプレイも実は要注目だ。

 

 

テンポ的には9曲目「SOMEWHERE」まで似たような展開が続くにもかかわらず、どの曲も違う彩りをしっかり感じさせるのは、むしろソロ以外でも力を発揮するヘルゲのギターあってこそだろう。

 

 

続くスローテンポの10曲目「EYES OF A STRANGER」は、ドイツ人らしい哀愁漂うメロディ(と思うのは、スコーピオンズを知っている世代だからか)が印象的な、「決してアメリカンにはならないバラード」。

 

 

と、ここで。

 

 

スローテンポからミドルテンポの曲が続いた中、「ポツンと一軒家」の如く、11曲目に突如姿を現した哀愁ハードナンバー「SAILING HOME」。

 

 

とここに来て、今回ポップで印象的なナンバーを提供している(Trk1、2、11)のが、ヘルゲであるという事実に気付く。

 

 

このアルバムにおけるヘルゲの計り知れない貢献度を確認する瞬間だ。

 

 

その山を越えたら、あとはアルバムのラストに向け、再びミディアムナンバーである12曲目「THE WAY YOU WANT IT」、なのだが、哀愁と言うよりは爽やかさが耳に残る。

 

 

そして、

 

 

最後に来るのは、ヘルゲのアコースティックギターとアンディによる抜群のエレクトリックギターが印象的な、13曲目「THE LOVE SONG」。アルバム中どのギターソロよりも泣きの炸裂するアンディの演奏で、まさにこのアルバムは静かなる大円団を迎える。

 

 

 

個人的には、やはり爽やかで力強くメロディのはっきりした2曲目「SAVE ME」が一番のオススメなのだが。

 

 

中盤から後半にかけて続くミディアムからスローなナンバーのお陰で、アルバムがTOO MUCHになりすぎず、とても聴きやすい。

 

 

そして、ラストにアンディのギターで気持ちが高揚し、

 

 

もう一度1曲目から聴きたくなる。

 

 

のだな、僕は。

 

 

もう、発表から20年以上経つのだが、未だに飽きずに聴いている。

 

 

 

オススメの1枚!です。

 

 

音楽、いいですね!